ころぞー(左)

2017年から2018年にかけて、パチスロが5号機から6号機へと移り変わっていきます。
幾度となく繰り返されてきた「パチスロ冬の時代」への足音が聞こえてきそうです。

パチスロが5号機から6号機になると何が変わる?

パチスロの新基準というのは、「射幸性の抑える=出玉規制」というのが骨子です。

まず、5.9号機で「1500Gでのリミッターが3000枚(2枚/G)」になるというのは大きな変更点ですね。
そして、6号機になるとさらに「4時間での出玉率150%」「大当たりの上限300枚」などが加わり、プレイヤーとしてはさらに厳しい状況になります。
現在のおよそ3分の2の出玉になるとのこと。
1号機ですら360枚は出るというのに…。

もちろん、その分負ける額も小さくなるのですが、パチスロ(及びパチンコ)をやるユーザーにとって大切なのは「どれだけ出るか」ですからね。
そんな新基準を聞いただけでも寒気がします。

パチスロ「冬の時代」を振り返る

パチスロの歴史はすなわち、規制と潜り抜けの歴史でもある気がします。
国が規制をかければメーカーなどがその規制を潜り抜けた機種を作り、また国から規制され…。
それがずっと繰り返されています。
規制の潜り抜け方は、裏モノであったりサブ基盤を使ったATであったり、時代によってまちまちですね。

いずれにしても、新基準によって規制をされるたびにユーザーが離れて、「パチスロ冬の時代」が訪れるのです。
そこで、過去の新基準がどれほど「パチスロ冬の時代」を築いてきたのか簡単に振り返ってみます。

集中役の規制で裏モノが蔓延した3号機時代

2号機から3号機になった時に、集中役(スーパーバニーガールのフルーツゲームなど)の出玉が抑えられました。
ゲーム性が失われたパチスロたちは、いわゆる”注射”を打たれてホールに出回ります。
こうして3号機時代は裏モノの時代となったのです。

リノ・ワイルドキャッツ・コンチネンタルなど、もはやノーマルの仕様がわからないぐらいに裏モノが出回っていたのではないかと思います。
一部のメーカーが裏モノに関与してて摘発されていたのもこの頃ですね。
そんな3号機の裏モノの撤去や摘発が進むと、徐々に客足が離れて「パチスロ冬の時代」に突入します。

技術介入機の陰で裏モノが残る4号機時代前半

ノーマル3号機の仕様に比べると、バリエーション豊かな基準となったのが4号機です。
ボーナスの枚数固定がなくなり、規制をかいくぐるリプレイ外しなどのテクニックで出玉を増やすことができるようになります。

クランキーコンドル・ハナビなどに代表されるように、4号機時代の前半は技術介入機全盛期の鉄火場となりました。
しかし一方で、技術介入性ではなく単純にギャンブル性を求めたユーザーとホールには、やはり裏モノが残っている時代でもありました。

かつての裏モノのような爆裂機に溢れた4号機時代後半

4号機時代の後半は、規制の隙間を縫うようなARTやSTなどの爆裂機全盛期となります。
北斗の拳・吉宗・ミリオンゴッドなど誰でも簡単に万枚(1万枚の出玉=等価交換で20万円相当)を狙える機種が溢れていました。
この流れというのはポイントで、それまでは「パチスロは技術や知識が必要な難しいもの」だったのに対して「パチスロは誰でも簡単に万枚を期待できるもの」になりました。

ここまでをまとめると、「誰もが大量出玉をノーマル機種で狙える」という時代になったのです。
おそらくパチスロの歴史においてもっとも栄華を極めた瞬間とも言えるのではないでしょうか。

それによってユーザーが劇的に増えて、ホールも劇的に増えました。
繁華街には「北斗の拳だけ何十台も設置した店」なんかも出現しましたね。
この頃にもなるとようやく裏モノを堂々と見かけることはなくなってきました。

栄華の終焉と象徴的な「冬の時代」である5号機時代

それを見かねてか、やはり4号機末期から5号機にかけて規制が入ります。
再三繰り返されたきた光景ですが、規制によってユーザーが離れました。
しかしこの時は、劇的にユーザーが増えた直後だったので、離れたユーザーの数も非常に多かったですね。
それに伴って、潰れてしまったホールの数も当然多くなります。
ゲームセンターに鞍替えするホールもありましたが、それも長くは持たずに巨大資本のチェーン店だけが生き残るという結果になりました。
急激に増えて行き場を失ったパチスロたちの一部を使って違法営業する店もちらほら…。

4号機時代で華やかに栄えた後の5号機時代は、過去最大落差の「パチスロ冬の時代」だったのではないでしょうか。

5号機時代になっても、規制の隙間を狙ってメーカーはあの手この手で新機種を作ってきました。
メーカーの独りよがりではなく、ユーザーやホールの期待に沿うように。
その結果、5号機時代も幾分ホールに盛り上がりが出てきていたように思います。

そして迎える6号機時代は?

IR法案(カジノ法案)によって、今まで以上にギャンブル依存症への取り組みが活発になってきました。
その結果、今まで以上にパチンコ・パチスロなどの非公営ギャンブルへの日当たりは悪くなっていくことでしょう。

6号機時代は、ユーザーもメーカーもホールも、そして国も今までとは違う視点を持ってパチンコ・パチスロと向き合う時代なのかもしれません。

その時代は、満開の花が咲く春なのか、寒さに震える冬なのか…。
数年後に振り返った時に、また同じような記事を書きたくはないものです。